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キャプティブとPCC (Protected Cell Captive)
キャプティブ
キャプティブの認知度は日本においても少しずつ高まってきていますが、PCC (Protected Cell Captive)はまだほとんど知られていない印象です。
ここでは両方のスキームのご説明、世界での活用状況などをお伝えします。
キャプティブとは
企業が持つ自家保険会社がキャプティブです。ドミサイルと呼ばれる場所にのみ設立されています。
日本の業法上、海上保険などの例外を除き、海外の保険会社が日本のリスクを引き受けることはできませんので、キャプティブは再保険取引のみが認められています。
キャプティブは自社のリスクを再保険会社として管理し引き受け利益を求めることで、リスク管理の一元化、適切な保険手配、損害抑制の動きなど包括的なリスクマネジメントを進めやすくなります。
PCCとは
PCCはキャプティブと同じ機能を持ったセルを企業にお貸しする仕組みです。
キャプティブは法人格を有し、設立した会社の子会社として設立され、会計上も子会社の収益として扱われますが、PCCは個々のセル単体は法人格を持ちません。
例えとして、PCCを賃貸マンション1棟とするならばセルは貸し出されたマンションの1戸室とご説明しています。
PCCのメリット
PCCは海外に保険会社を設立するのではなく、セル使用契約を結ぶだけで実装できるため、費用、業務負担など大幅に削減できます。
キャプティブは設立するドミサイルの監督庁の認可が必要で、一定規模の資本金が必要となりますが、PCCはセルを貸し出すことを前提に認可を取得しており、セル単体は法人格を持ちませんので、資本金は必要ありません。
キャプティブは租税回避地に多く存在しており、それら地域には不正な資金移転に監視の目が向けられ、監督庁が求める確認書類が多く、頻度も高く、このための業務負荷も軽視できません。
しかし、PCCの場合それらの手続きはPCC全体で行うので、個々のセルに求められる業務はありません。
キャプティブは設立したドミサイルにオフィスを設け、そこで従業員を雇うことが必要です。しかしPCCの場合はPCC自体がドミサイルにオフィスを設け、従業員を雇っていますので、セルの利用者はその必要がありません。
実装されているセルの数についてCaptive Review誌が調べたところ、2020年には3,440のセルが稼働しており、2021年に新たに438のセルの登録があったと報告しています。
PCCに関する世界の動き
欧米では大手企業の9割以上がキャプティブを活用していると言われていますが、最近では中規模の会社もキャプティブ活用を検討しています。
その際、実装までの手続きが簡単で時間、コストがかからないPCCへの関心が特に高まっています。
また、キャプティブの業務負担を軽減させるために、キャプティブからセルに移行する企業も少なくありません。
Green Oak PCC
弊社は2020年3月にマレーシア金融特区ラブアンにPCCを設立しました。
詳しくは、Green Oak PCC Ltd.をご覧ください。
PCCのご活用をぜひご検討ください。
2023年2月 記
貴社の課題をジャパン・リスク・スペシャリストにまずご相談ください。
当社の経験にもとづいた貴社にベストのご提案をいたします。
それぞれの会社、団体の課題は様々です。貴社の状況を伺い、ターゲットを確認させていただき、問題解決に向けて対応策をご提案します。当社が手がけているいくつものサービスメニュー、豊富な実績をもとに貴社にベストの方策をご提示し、実装いたします。
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