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技能実習制度
その他
国際貢献のため、開発途上国等の外国人を日本で一定期間(最長5年間)に限り受け入れ、技能を移転する技能実習制度は平成5年に創設されました。実習生の数は年々増加し、ピークの令和元年には410,972名が在留していました。
技能実習制度は、日本の技能、技術又は知識を開発途上地域等へ移転し「人づくり」に寄与するという国際協力の視点に立った制度のはずですが、趣旨に反して、国内の人手不足を補う安価な労働力の確保等として使われているとの指摘があります。
法令上も技能実習生は、入国直後の講習期間以外は、雇用関係の下、労働関係法令等が適用されていますが、労働条件など問題視されるケースが少なくありません。
技能実習生を受け入れるには
技能実習生の97%は、営利を目的としない事業協同組合の中小企業団体や商工会議所商工会などが受け入れ、その組合、団体に加盟している企業が実務研修や技能実習を実施します。
実習生を受け入れる団体は監理団体と呼ばれ、技能実習生の生活を支援する機関として位置づけられています。
技能実習生と社会保険
技能実習生も日本人の社員と同じように社会保険に入る義務があります。受け入れ企業は技能実習生の労働条件の確保や改善に取り組まなければなりません。雇用保険に加入することで、技能実習が継続できなかった場合にも手当給付や求職の相談を受けることができます。
また、実習生は入国後講習の期間中に国民健康保険に加入する義務があります。この講習後に実習実施機関に移ると、実習生は企業が加入している健康保険に移行しますが、個人経営で一定の条件を満たす場合、国民健康保険の加入が継続されます。保険料は日本人の社員同様、受け入れ企業と技能実習生で折半となります。
公的保険を補完する民間の損害保険の加入について、いくつかの組織が独自補償を提供しています。海外旅行保険と同様に滞在中の疾病、傷害、賠償責任を補償する内容です。
劣悪な労働条件により実習先から失踪した、との報道をしばしば目にします。本来の趣旨を理解し広めていくことで技術移転、人材交流など期待できる面は少なくありません。今後、受け入れ数が増加することを想定し、新たなサービスや補償の提供の機会も増えていくと思われます。
2022年6月 記
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