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かわら版Media

新時代の保険販売手法!エンベデッド・インシュアランス(組込型保険)

2024.01.09

少額短期保険

保険商品を他社の商品・サービスに組み込んで提供する販売手法(エンベデッド・インシュアランス)が注目されています。

エンベデッド・インシュアランスの実装は、API ソリューションなどを提供するインシュアテック企業が支えているのが現状です。

本記事では以下について解説します。

▼▼ この記事でわかること ▼▼

  • デジタル化が進むエンベデッド・インシュアランス(組込型保険)
  • エンベデッド・インシュアランス(組込型保険)は新たな価値を生み出す
  • 国内のエンベデッド・インシュアランス(組込型保険)事例
新時代の保険販売手法!エンベデッド・インシュアランス(組込型保険)

デジタル化が進むエンベデッド・インシュアランス(組込型保険)

私たちの日常生活と同様に、エンベデッド・インシュアランスのデジタル環境も進化しています。

エンベデッド・インシュアランスは、システム同士の機能を共有する仕組みであるAPI や、クラウド、マイクロサービスといった技術によって支えられています。

消費者が置かれている状況を踏まえてベストのタイミングで適切な保険商品をオファーすることがエンベデッド・インシュアランスにとって重要です。

これを実現するにはデータ(種類と量)の処理が鍵となります。

これらの技術を提供するインシュアテック企業が次々と登場している状況です。

また、プラットフォームビジネスの発展によってエコシステムも拡大しつつあり、保険会社と販売企業との連携により新たなBtoB・BtoCビジネスが多数出現しており、保険を組み込める領域が広がっています。

データ活用で顧客体験の向上

消費者の購買行動のオンライン化が進み、パソコンやスマホでモノやサービスを購入する消費者の割合も年々増加傾向にあります。

また、巨大テック企業(AmazonやGoogleなど)が提供する使いやすい機能に慣れている消費者は、保険に対しても同様のサービスを求めるようになってきています。

保険会社は、こうした消費者の変化に対応するべくデジタル化やEX (顧客体験)の向上に取り組んでいます。

インシュアテックの技術を導入し、商品(サービス)の購入者のデータを活用することで利便性が高まり、顧客体験の向上につながります。

エンベデッド・インシュアランス(組込型保険)は新たな価値を生み出す

保険会社が、販売企業とデジタルでシームレスに連携することにより、消費者は企業サイトからオンラインで容易に保険加入が可能となります。

このことにより、わずか数クリック(タップ)で加入できる利便性が保険加入のハードルを下げました。

消費者のライフイベントをサポートするようなサービスに保険を組み込むことで、アクシデントによるキャンセル等の不安を払拭することができるとともに顧客体験が向上します。

保険会社は、販売企業で購入される商品(サービス)にAPI 経由で保険を直接組み込み、消費者が保険に加入する確率が最も高いタイミングで保険商品を提供できるため、これまで未開拓だった顧客層に訴求する機会を得られます。

保険 × インシュアテック

保険会社と販売企業をつなぐ役割を果たしているのがインシュアテック(InsurTech)企業です。

インシュアテック企業は、API・マイクロサービス・クラウドなどの技術を持っており、エンベデッド・インシュアランスを積極的に展開していくことができます。

インシュアテックは、エンベデッド・インシュアランス実現の起点として機能しているといえます。

消費者のライフイベント × 保険

消費者の日常生活やライフイベントをサポートするようなサービスや商品に保険サービスを組み込み、消費行動の中で提供していくことで商品やサービス自体の顧客体験を良くしたり、利用を促進したりできます。

例えば、ホテルや旅館の予約サイトや映画チケット購入サイトにキャンセル保険を組み込むことで、顧客のキャンセル料に対する不安を払拭でき予約や購入の後押しとなるでしょう。

国内のエンベデッド・インシュアランス(組込型保険)事例

新時代の保険販売手法として注目されているエンベデッド・インシュアランスの国内の事例をご紹介します。

東京海上日動火災保険 × GA technologies × Finatext 投資用不動産サイト内で組込型火災保険の提供

東京海上日動火災保険株式会社(以下「東京海上日動」)は、株式会社GA technologies(ジーエーテクノロジーズ、以下「GA technologies」)、株式会社Finatext(フィナテキスト、以下「Finatext」)とオンラインの投資用不動産サービス上で組込型の火災保険に申込・加入できる仕組みを共同開発しました。

東京海上日動はFinatextが持つインシュアテックの技術を使い、GA technologiesが運営するネット不動産マーケットプレイス「RENOSY(リノシー)」とつないで、投資用不動産購入者向けに2023年5月から保険の販売を開始しています。

これまでは不動産の購入手続きとは別に保険契約を結ぶ必要がありました。
紙の書類に物件の住所や構造、生年月日など契約者の情報を記入し郵送する必要があり手続きに2〜3日かかっていましたが、新たなサービスでは不動産の購入時に加入でき、加入者や物件に関する情報を再度入力する必要がないため、最短5分程度で手続きが終わるとのことです。

東京海上日動火災保険 × GA technologies × Finatext 投資用不動産サイト内で組込型火災保険の提供:GA technologies火災保険見積もりページ

画像出典:GA technologies

このようなシステムは、オンライン上でシームレスな顧客体験の提供が可能となり、これにより顧客の利便性の向上に加え手続き漏れなどのリスクが低減されるでしょう。

また、インシュアテックの技術を使うことで、初期投資を抑えることができます。

出典
GA technologies
日経新聞

東京海上ホールディングス × bolttech(ボルトテック)

東京海上ホールディングス(以下「東京海上」)は、bolttech(ボルトテック、以下「bolttech 」)と資本業務提携契約を締結しました。

この資本業務提携は、エンベデッド・インシュアランスのグローバル展開やデジタル完結による革新的な保険加入プロセスを実現させるためと、発表されています。

bolttechは、エンベデッド・インシュアランス分野をテクノロジーでリードする2020年に設立されたシンガポールのインシュアテック企業で、欧米やアジアの30カ国で800社超と提携して保険商品を販売しています。

東京海上は、bolttechが提携する企業のサイト上で東京海上の保険商品を販売していく計画です。

経済活動の中心がデジタルに移行されるなか、保険を単品でなく他のサービスの一部に組み込む潮流が強まっています。

出典
東京海上ホールディングス株式会社
日経新聞

住友生命保険 × ヘルスケアテクノロジーズ(ソフトバンク子会社)

住友生命保険相互会社(以下「住友生命」)と、ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)の子会社のヘルスケアテクノロジーズ株式会社(以下「ヘルスケアテクノロジーズ」)は、資本・業務提携を行いました。

ヘルスケアテクノロジーズはヘルスケア領域を推進するために、ソフトバンクの子会社として2018年10月に設立された会社です。

2020 年7月から、病気の予防や健康改善、健康増進に役立つワンストップのヘルスケアアプリ「HELPO(ヘルポ)」を提供しています。

住友生命グループは、2018年7月に健康増進型保険“住友生命「Vitality」”を発売しており、2023年4月には保険契約とVitality健康プログラムを切り離して利用できる「Vitalityスマート」といった従来の保険にはない価値を持つ商品を提供しています。

これらVitalityを軸とした商品とデジタル活用、そしてVitalityの持つデータや知見と24時間365日いつでもチャットによる健康医療相談やオンライン診療が可能なヘルスケアアプリ「HELPO」の各種サービスや、ヘルスケアテクノロジーズが雇用する医師や看護師、薬剤師等による高い専門的な知見等を組み合わせ、より多くの顧客へ新しい価値を提供していくと発表しました。

顧客対応力・商品開発力・デジタル&データ活用力・質の高いヘルスケアサービスを掛け合わせることでオリジナリティの高い顧客価値の創出を実現できます。

出典
住友生命保険相互会社
ヘルスケアテクノロジーズ株式会社
日経新聞

他社との差別化にエンベデッド・インシュアランス(組込型保険)を活用

エンベデッド・インシュアランスは、販売企業の商品(サービス)に合ったオリジナルの保険商品の開発が可能です。

他社にはない独自の保険で顧客体験を高め、差別化へとつなげることができます。

エンベデッド・インシュアランスの参入手順は以下のとおりです。

  1. 企業のビジネスモデルと商流を細分化
  2. 保険・再保険会社と交渉し最適な補償内容・販売方法を検討
  3. 事業計画の策定
  4. システム要件など運用面の調整
  5. 実装

当社では、保険商品の開発、運営等のコンサルティングから業務代行まで幅広いサービスを提供しています。

エンベデッド・インシュアランスをご検討の際は、ぜひご相談ください。

最後に、本記事の内容を以下にまとめます。

  • エンベデッド・インシュアランスのデジタル環境も進化している
  • インシュアテック技術が保険会社と事業会社をつなぐ役割を担っており、エンベデッド・インシュアランスを積極的に展開していくことができる
  • 消費者の日常生活やライフイベントをサポートするようなサービスに組み込むことで、顧客体験が向上する
  • 近年、国内のエンベデッド・インシュアランスの事例も増えている

エンベデッド・インシュアランスにご興味を持たれた企業様、導入をご検討の企業様は、ぜひご相談ください。また、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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