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欧米の1月1日再保険更改と再保険契約書について
再保険
1月1日は欧米を中心に再保険更改が行われます。更改を終え、年明けには再保険会社などが2021年を振り返り再保険条件や事故状況に関してコメントを発表しています。
2022年1月1日 再保険更改
再保険会社が情報を精査し、見積もりを出すタイミングである更改交渉の進み具合が今回は通常よりも2週間ほど遅かったようです。
保険種目や、契約の成績によりばらつきはありますが、条件は引き続きハードです。特に自然災害に対する財物の再保険条件は昨年よりもさらに厳しいものだったようです。
2021年は世界で起こった自然災害による損害が大きく、経済損失額では史上4番目、保険金の支払いは史上2番目の大きな規模となりました。
保険金の支払いが多かった理由はアメリカで発生した自然災害が多かったことだと考えられます。アメリカでは経済損害の約6割が保険損害として試算されていますが、アジアにおいては2割にも達していません。
ヨーロッパの保険損害額も少なかったのですが、最大の損害がドイツで起きた洪水事故であることが理由であると考えられます。100年に一度の規模と言われた降水量により発生した水害でした。保険の補償内容に水害が含まれていない契約が大多数であったといわれています。また保険を付けていない社会インフラの経済損害が大きかったことも理由のようです。
再保険会社が自らの再保険を手配する再々保険の市場もあります。
1月1日に行われた再々保険の更改は、自然災害に対する財物の再々保険の料率水準は昨年よりも平均で15%程度値上げされたと言われています。同じ補償内容の再保険契約では平均で9%程度の値上げが行われたようです。
欧米の昨年2021年1月1日再保険更改は6%程度の上昇と言われていますので、昨年よりもさらに値上げ幅が大きくなったことになります。
日本市場では昨年大きな自然災害がなく、特に比例再保険への影響は限定的だと思われますが、再々保険、再保険の世界的な市場動向を留意し、4月1日の契約更改に臨む必要があります。
自然災害の多くが地球温暖化と関係があると分析されています。今後、それぞれの損害規模がさらに大きくなり、発生頻度も高まると予想されています。補償内容、料率の見直しも必要になってくるかと思われます。
2022年1月 記
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